当店取扱の新ブランド「Fumi Sound」のご案内です。
ブランド・オーナーの遠藤史章さんは、当店とお取引のある他の製作家さんたちと同様、生真面目な求道者です。いや、生真面目という意味では一番かもしれません。よく笑う方ですが目が笑っていないというか、こちらの言うことの微細なニュアンスにまで真摯に耳を傾けてくださるスタンスで、その緊張感にこちらがこちらに伝わり、逆に恐縮してしまいます(汗)。
ジラウドに縁のある方で、ヴィンテージ・フェイス等でもキャリアを作ってこられました。設計思想には一貫性があり、ディスクリートによる回路構成に特にこだわりのある製作家です。
その作風は、当店のこれまでとはあまり接点を感じないものでしたので、ご依頼があった当初はあまり乗り気がしなかったのですが、何度かミーティングを重ねるうちに私どもの考えが変わりました。
良くも悪くも キャラクタリスティックな特徴は、回を重ねるたびにどんどん使いやすくなっていき、逆にそのキャラクターが引き立つように変わっていったように思います。彼自身もおそらく、これまで培ってきたことの集大成と、これからのことを見据えて、私どもにお声がけくださったのだな、と思いました。
結果、尖ったジラウド系のサウンドを愛してこられた方にも、あえて避けてこられた方にも、アピール出来る製品になったと思います。当店取扱のペダルとしてお薦めの逸品になりました!

Dual Driver は歪みペダルです。便宜上詳細カテゴリーは「ベース用オーバードライブ」になりますが、単なるそうしたものではありません。ベース用ペダルとは何か?に対して幾重にも考えられた跡が見えます。これまでになかったアプローチによる歪みペダルです。
別掲載の Hook に、2種類の異なる歪み回路が連携する構成になっています。モード・スイッチが中央でゲインつまみの効かないクリーン・モードになります。つまり Hook +マイルドつまみ、というプリアンプになります。Hook のSSモード及び Sモード&ミドル連動型2バンドEQ によるシンプル且つ大胆な音作りが単体で利用できるところが、根本的に従来の歪みペダルとは異なります。それに加えて、2種類の異なる歪みを付加する事が出来る訳です。歪みのタイプはハイゲインな「ドライブ」モードと、ローゲインの「サチュレーション」モード。いずれも低周波数の部分には歪ませないよう工夫されています。ベースという楽器の役割を踏まえた「歪み」という音色への考え方が極めて深いです。これまでも「原音ミックス」という考え方は存在していましたが、全く新しい考え方です。
チューブ・アンプの飽和をマイクで録音したギターにおける「ドライブ」と、ライン録音におけるテープのコンプレッション及びオーバーレベルによる歪み、「サチる」には、本来明快な違いがありますが、本機は後者のアプローチにおける有効な歪みとは何か、を提案している機材であるとも言えます。案外不可抗力による偶然録れた良さ、でしかなかったこうした「サチった」音色を任意に狙って作る事が可能になりました。そのような意味におけるサチュレーション・モードは貴重ですよ!それを踏まえての、ハイゲインなドライブ・モードもまた、有効であることは、想像に容易いのではないでしょうか?
つまり本機は、ライン録音(あるいはライブ演奏)における、最もイケてる歪みを追求した製品という事が可能です。
類似品がなかったので、比較対象はありません。
しっかりと、ベースの役割を踏まえつつ、「サチったり」する良さ、や「ドライブする」良さを単体で体現できるペダルです。ライン上で完結した結果を得られるのは、このペダルだけです。
フット・スイッチは、トゥルー・バイパス仕様です。