Fumi Sound Dual Huck
- 販売価格(税込):
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62,800
円
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エフェクター
Fumi Sound 待望の新製品。2ch仕様のプリアンプです。
2ch仕様のプリアンプ「Dual Hook」、ドライブ・ペダルの「Dual Driver」も大変ご好評いただいておりますが、この新製品は既存のこれらとは性格を異にするもので、大変ユニークな製品になっています。
Fumi Sound といえば、かつてディスクリート構成による高速レスポンスを売りにしていた某カリスマ・ブランドからの流れを汲み、そこから更に鍛錬と洗練を重ねた個性が光るブランドになった訳ですが、今回の新製品は、そんな Fumi Sound が考えるヴィンテージ・アンプのサウンドをライン信号で得る為のプリアンプ・ペダルになっています。
真空管によるフェンダーやアンペグ等のヴィンテージ・アンプで得られるドライブ感…その本質とは何か…。90年代くらいなら、例えばサンズアンプ等にみられるような歪みや、その後ならデジタル・モデリング技術によるシミュレーションだったりするのでしょう。しかし状態の良いヴィンテージのオリジナルの前では、これらは所詮イメージでしかなく、その本質からは程遠いことを私たちは知っています。単なるナロー・レンジの歪みがヴィンテージの本質であるわけもなく、レイテンシーの存在するドライブ感など、もはや語義矛盾と言っても過言ではないでしょう。
ではヴィンテージ・アンプのドライブ感の本質とは…真空管による高電圧駆動がもたらす、特性はフラットではないまでも圧倒的な瞬発力!それに尽きます!たとえレンジ狭くて歪っぽくても、ゴリ押しの瞬発力で押し切る!といったような特性ではないでしょうか。
ここで特に重要になってくるのは高速レスポンス!ということになり、Fumi Sound のディスクリート等で培ってきた特性が逆に活きてくる、という少々意外な結果を齎すことになったのでした。
少し前のこと。主宰の遠藤さんとの雑談の中で「モダンなフラットな特性を持った現行のスピーカーでモニターするベース・エフェクターの歪みは、決して良い音に聴こえないよね〜」という話題になった事があります。
転じて「歪みのエフェクターは、ツイーターのないフルレンジのスピーカーで聴くような音色であるのが望ましい」という自分からの提案が、本機の開発のきっかけになったそうです。それが Dual Huck の「JUICY」に結実しました。「歪と粘り」を司るこのパラメーターは、ヴィンテージ機材の程よいサチュレーションとコンプ感を加えることに成功しています。一般的なオーバードライブ・ペダルのそれよりも遥かに微妙な効き方は、本機が歪みペダルでなく、プリアンプだということを知らせてくれます。当時はやむなく付加されてしまっていた歪みな訳ですから、そうなりますよね。また高速動作が、歪みによるコンプレッションを粘りのあるドライブ力に変えていきます。これらの相乗効果により、ツイーターからの不必要なレンジが収まって聴こえる効果を生み出しました。とても有機的で心地よいトーンです。
遠藤さんよると、実際の動作はかなり複雑な事を行なっているのだそうで、それがトーンが一本調子にならない理由でもあるようです。
「JUICY」機能に合わせて2バンドEQも特性を改めてました。ミドル連動型の「Hook」を基にしている訳ですが、よりヴィンテージ・サウンドを意識したものになっていて、これが商品名の「Huck」の由来になります。
また新設されたキャラクター・スイッチは、もちろん「JUICY」を踏まえてのもので「Hook」にあったスラップモードを本機に合わせた「SLAP or CHOP」と、その逆を行くような「FLUFFY or MORE JUICY」を搭載、チャンネル毎の個性を作りやすいようになっています。シンプル簡単な音作りは Fumi Sound の美点だと思います。
ひとことで簡単に「Lo-Fi」と括られてしまいがちな、ヴィンテージライクなトーンですが、本当にそれを達成するためには高速レスポンスな動作が必須であることを本機は示してくれます。そしてそれは当然クリーンなサウンドを放ちたい場合にも活きる訳です。ある意味「Hi-Fi」や高解像度を探求した人でなければ作り得ないプリアンプが出来ました。
しかも操作性が楽なシンプル・オペレーション!エフェクト・ペダルはこうでなくてはいけません。
パッシブの楽器が推奨されていますが、パッシブ専用のプリアンプという訳でもありませんので、色々とお試しいただけるとよろしいのではないかと思います。実りの秋のジューシーさをご堪能あれ!