YAMAHA BB2000
- 販売価格(税込):
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248,001
円
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ベース
1982年製と思われるBB2000。ご存知の方も少なくないかもしれませんが、店主はこの機種の超マニアで、おそらく現役で楽器販売に携わっている誰よりも詳しいという自負があります。ジャパン・ヴィンテージなどという言い方が一般的になり、何かと全てを肯定的に語られがちですが、優れた点もそうでない点も併せてヴィンテージ。ダメなところにも魅力があったりしますし、清濁合わせ呑んでこその魅力を、正確にお伝えすることこそ、その機種への共感に繋がるものだと考えています。
さてBB2000 ですが、有料でもないのに全てを披露してしまう必要もないので、今回は電装系の小ネタを一つだけご紹介です。タイトルは「カスコン最良説」。ご存知の通り BB2000 には国産の8mm径-24φ のポットふたつと、トグル・スイッチ、国産のフィルム・コンデンサが使われています。70年代後半あたりから広く国産ギターに使われるようになるこのフィルム・コンデンサは、安っぽいという理由で、俗に「カスコン」と呼ばれていたりします。本機のそれは日精電気(株)製で、数値は 0.047μF です。
よく国産のポットやコンデンサをCTSのポットやスプラグのコンデンサに交換して「音が太くなった」というギタリストやベーシストの言説を見かけることがありますが、一概に間違いではないものの、正しくもないように思います。国産のポットは、特性が正確で高域の劣化が少ないのですが、海外パーツは概ね高域が出ていないので、それを「太さ」と評価しているケースが多いです。評価は常に相対なので、間違ってはおりません。これを踏まえて BB2000 と対峙してみますと、オススメはトーン「7」から始めてみてください。BB のノブにはポインタがついていますので、正確に「7」に出来るところも魅力です。カスコンのついた楽器とは思えないほど、芳醇な音に驚かれるかと思います。この3割ほど高域を落とした音色が BB2000 の魅力です。そしてちょっとしたパンチが欲しい時に「10」にしてみてください。トレブル・ブーストされたかのような全能感、開放感に浸る事ができます。まぁ、実際フィルター的には開放されただけな訳ですが…。このように、極シンプルなパッシブ回路でありながら、非常に表情豊かなのが BB2000 の特徴で、これはあえて2ヴォリュームにぜず、抵抗を嫌ったトグル・スイッチによるところも大きいです。国産ポットとカスコンの力、是非お試しください。
こう書くと、国産ポットの生産完全終了は大変残念ですね。当店は 7mm径-16φ のものなどは、まだ一部ストックがありますので、ご相談ください。
本機についてです。
使用感は年式なりで美品ではありません。ナットは交換されています。トラスロッドは問題なく機能します。逆反りでローポジションの音詰まるまで締め込めます。フレットはオリジナルで、ローポジションを中心に摩耗が見られますが概ね良好です。電装系はオリジナルです。PUに「昭和57年」のスタンプがあります。トーンのノブは内側にヒビが見られますので、一度外したら、ちゃんとつかない可能性大です。
非純正赤いソフトケース付属。