Lシリアル!1965年夏頃製造のジャズベース。
年式を考慮しますとなかなかのコンディションで、トップコートのラッカーの軟質化など最小限に済んでおります。
褪色も少なく、色味的にもオリジナルに近い見た目を維持出来ていると言えます。
パールドット・ポジションマーカーが特徴のラウンド指板は、赤みが強くて、定説のハカランダにはちょっと見えず、むしろその後のインディアン・ローズにも見えず、独特です。この年式この時期に散見されるもので、公式なデータがないので何とも言えませんが、見た目にはパドゥークに近いです。前にも書きましたが、ハカランダからインディアンローズへの過渡期で、決定までに色々な木材をトライした可能性は高いです。
オリジナルと同サイズのフレットへと打ち換え、リナットと思われますが、雰囲気はよく保たれています。状態も良好です。ネック裏はオーバーラッカーが施されているかもしれません。
目を疑ったのは、ネックデードのスタンプで、"5AUG65C" とあります。これ、65年8月製の「プレべ」を意味します…ここ数週間、これについて調べ上げておりました。そういう訳で、もともとプレべのネックをリシェイプしてジャズベにした可能性がある訳ですが、そのコストと現状の仕上がり、状態を考慮するなら「偽装するなら、普通スタンプを直すだろ!」と思われ、スタンプを押した工員さんの勘違いによるミス、と考えるのが自然と結論づけました。
その後、アメリカの楽器屋さんで同様のミスの印字がなされた64年のジャズベを見つけて確信/安心しました。(いつまで閲覧できるか分かりませんが、リンクを「その他URL」に貼っておきます。フェンダーさん、ちゃんとやってくださいよ〜。
電装周り問題なし。ピックアップ下のスポンジは当店で交換しました。
正しいネックの状態、標準的な弦高、正しいPU の高さでセットアップされた、由緒正しい Lシリアル・ヴィンテージの音。本来のパフォーマンスが引き出せました。
特に改造点、消耗部品以外のパーツ交換などは見られません。画像にはありませんが、フェンス、ブリッジカバー付属。

オリジナル・ハードケース(ブラックフェンダーロゴ入り)付属